財団主催/企画/助成 展覧会のお知らせ
SATORU SATO 展
― 静かさ/四角い波紋 ―
SATORU SATO 展 ― 静かさ/四角い波紋 ―
早見堯
SATORU SATOは、住まいやアトリエのあるパリと、サトル・サトウ・アート・ミュージアムのある宮城県登米市という二つの焦点を拠点にして、振幅のある多数の楕円を描くように、世界各地で、絵画と立体、 野外彫刻や環境造形などを幅広く展開している。
一九七二年、パリでサロン・レアリテ・ヌーベルに出品したのがアーティストとしてのデビューだ。レアリテ・ヌーベルは、第二次世界大戦前のモンドリアンやカジミール・マレヴィッチなど、物質的世界を超えた精神性を追求した幾何学構成絵画を継承して発展させている団体展である。
わたしは一九七〇年代の後半にパリのギャラリーの個展会場で見たのがSATORU SATO の作品に接した最初だった。垂直の数色の色帯と白と黒の広い色面による幾何学構成絵画。フランスのある評論家は「垂直主義」と命名した。
SATORU はこうした「垂直主義」を契機にして自分の造形の核心に確信をもったに違いない。垂直性に加えてそれに対抗する水平性、そして、さらに、それらが組み合わされた正方形などの基本形と、狭い色帯や白と黒などの広い色面による作品を展開することになった。
SATORU の絵画や立体、彫刻や環境造形などは、緊張と緩和、静謐と響きなどが垂直性と水平性に呼応しながら画面のフレームに向かって波紋を広げていって矩形の画面型をつくりだしているかのように感じられる。
ハード・エッジな色帯や色面なのに、かたい幾何学的な骨組みを感じさせることはない。むしろ逆だ。日本の伝統文化である茶道の基本に「和敬清寂」があるのはよく知られている。人と人との暗黙の気持ちの通いあいである「和敬」と分け隔てのない交流をつくりだす「清寂」。幾何学的な合理性による精神性の追求に、こうした「和敬清寂」による心の融和と浄化の作用を融合させているのだ。
作品を前にすると、心がとぎ澄まされると同時に、癒される。作品の場に立つと、脈動している空気と光に包まれ、自然と共生している自分を確認することができる。宇宙のリズムに同調している感じだろうか。日本でもSATORU SATOの作品とその味わいは理解されるようになってきてはいるが、広く深く経験されていないかもしれない。
東京アートミュージアムの個展では、安藤忠雄設計建築のハードエッジで合理的でありながら空間の息づく呼吸感と、作品がもたらす精神的な表現や心の融和・浄化作用とが照応して、そこに立つわたしたちのなかに波紋となって広がり浸透するだろう。
| 会期 | 2026年10月3日(土)-12月13日(日) | |
| 開館時間 | 11時~18時30分(入館18時まで) | |
| 開館日 | 木・金・土・日曜日 | |
| 休館日 | 月・火・水曜日 | |
| 入場料 | 一般 500円 / 大高生 400円 / 小中学生 300円 | |
| 会場 | 東京アートミュージアム ➡ Map | |
| 主催 | 東京アートミュージアム | |
| 後援 | Satoru Sato Art Museum | |
| 助成 | 朝日新聞文化財団、一般財団法人プラザ財団 | |
| *同期間、プラザギャラリーで関連展示を開催 | ||
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「正方形に捧げる」 2017年 |

